CASE高次脳機能障害(自賠責9級→8級相当認定へアップ!)

依頼内容

事案概要
被害者は、自転車で交差点を横断中に乗用車と衝突する事故に遭われました。
高エネルギー外傷であり、受傷直後の画像診断では「外傷性くも膜下出血」が確認されました。その後、経過中に「外傷後水頭症」を発症し、脳室腹腔シャント術を余儀なくされました。
依頼背景
自賠責保険では高次脳機能障害として「9級10号」の認定を受けていましたが、被害者は事故の影響で長年勤めた仕事を廃業せざるを得なくなっていました。
日常生活にも「重大な支障がある」との報告があり「より上位の等級(7級4号)に該当する可能性はないか」との医学的精査のご依頼をいただきました。

事故及び受傷内容

事故状況
自転車で交差点を横断中、乗用車と衝突。
主たる診断名
外傷性くも膜下出血、びまん性軸索損傷、外傷後水頭症(シャント術後)、外傷後うつ病。
後遺症状
著しい注意力低下、処理速度の低下、記憶障害、対人回避、意欲低下など。

具体的な画像評価

脳神経外科専門医が、画像資料と神経心理学的検査の結果を詳細に再評価しました。

1.「脳梁損傷」の特定と医学的証明

受傷後早期のMRI(DWI・FLAIR画像)において、左右の大脳半球を繋ぐ情報統合の中枢である「脳梁体部」に急性期の異常信号を特定しました。
さらに受傷から約4年後の画像でも同部位に瘢痕(グリオーシス)が残存していることを確認し、これが事故による「器質的脳損傷」であることを明確に証明しました。

2.就労能力への影響を多角的に分析

一般的な認知機能検査(HDS-R等)は正常範囲内でしたが、より詳細な検査(WMS-R、TMT-J)から「注意の持続困難」や「情報処理速度の異常」を読み解きました。
高度なコミュニケーションとマルチタスクが要求される被害者の職業にとって、これらの障害が致命的な支障となったことを論理的に構成しました。

3.「外傷後うつ病」との因果関係

事故後の抑うつ症状についても、器質的脳損傷(脳梁損傷)を基盤とした神経生物学的な変化であると指摘し、単なる心理的要因ではなく事故との因果関係が認められるべきと主張しました。

結果

専門医による意見書を提出した結果、後遺障害等級は9級から8級相当へと評価がアップしました。
単なる数値的な評価にとどまらず、精密な画像読影による損傷部位の特定と、それが具体的な就労・社会生活に与える影響を専門医の視点で結びつけたことが、等級引き上げの決定打となりました。

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