交通事故のリハビリ日数や回数|通院中でも慰謝料はもらえる?

交通事故の被害に遭い、けがや後遺症を負った場合、加害者に対して損害賠償請求として治療費や慰謝料を請求することができます。交通事故による慰謝料には、治療のための入院・通院に関する慰謝料として「入通院慰謝料」、後遺障害が発生した場合の慰謝料として「後遺障害慰謝料」、死亡した場合の慰謝料として「死亡慰謝料」があります。
リハビリのための通院も入通院慰謝料の対象となりますが、頻度・回数や内容によっても慰謝料が変わってきます。本記事では、リハビリのための通院に関する入通院慰謝料について解説します。
交通事故のリハビリ中でも慰謝料はもらえるのか?

リハビリは、交通事故によるけがによって生じた身体の不具合を元の状態に戻すために行うものです。
けがの治療自体は完了したとしても、症状が固定(治療を施してもそれ以上症状が良くならない状態)するまでは、身体の不具合が改善する余地があると考えられます。
症状固定までの間に行われるリハビリについては、入通院慰謝料の対象となります。
>>後遺障害14級の認定に必要な通院日数は?認定率についても解説
交通事故のリハビリでもらえる慰謝料の計算方法

交通事故によるリハビリでもらえる慰謝料は、以下の3つの基準で計算されます。
自賠責基準
自賠責保険は、自動車を所有する場合には必ず加入する強制保険です。被害者に対する最低限の補償であり、3つの基準の中では慰謝料の金額がもっとも低くなります。
計算方法は以下のとおりです。
- 慰謝料の額=4,300円×対象日数
対象日数は、以下の2つのパターンで計算し、いずれか金額の低い方が慰謝料の額として採用されます。
- 「総治療期間」(入院日数+通院期間)
- 「実治療日数」(入院日数+通院日数)×2
具体的な例でみると、以下のようになります。
- 入院日数:30日
- 通院期間:60日
- 通院日数20日
「総治療期間」で計算した場合:
4,300円×(30日+60日)=387,000円
実治療日数で計算した場合:
4,300円×(30日+20日)×2=430,000円
この場合、総治療期間で計算した方が低くなるため、387,000円が慰謝料の額となります。
任意保険基準
各任意保険会社がそれぞれ独自に定めている基準が任意保険基準です。
これは各社によって基準が異なり、かつ、非公開となっているため具体的な基準をお示しすることはできません。
一般に、慰謝料の金額は自賠責基準よりは高くなりますが、弁護士基準と比較すると低額となる傾向があります。
裁判基準
過去の訴訟において慰謝料の算定をした事例をもとに基準をまとめ上げたもので、弁護士基準ともいわれます。弁護士に依頼した場合や裁判となる場合に採用される基準で、3つの基準の中では最も高額となります。
入通院慰謝料の裁判基準は、日弁連交通事故相談センター東京支部による「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」(「赤い本」と一般に呼ばれています) の「入通院慰謝料の算定表」に基づきます。
入通院慰謝料の額は、「通常のケガの場合」と「むち打ちなどの自覚症状以外のない軽症の場合」とで異なります。
① 通常の算定表(「赤い本」別表1)
|
入院 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
|
|
通院 |
0 |
53 |
101 |
145 |
184 |
217 |
244 |
266 |
|
1月 |
28 |
77 |
122 |
162 |
199 |
228 |
252 |
274 |
|
2月 |
52 |
98 |
139 |
177 |
210 |
236 |
260 |
281 |
|
3月 |
73 |
115 |
154 |
188 |
218 |
244 |
267 |
287 |
|
4月 |
90 |
130 |
165 |
196 |
226 |
251 |
273 |
292 |
|
5月 |
105 |
141 |
173 |
204 |
233 |
257 |
278 |
296 |
|
6月 |
116 |
149 |
181 |
211 |
239 |
262 |
282 |
300 |
|
7月 |
124 |
157 |
188 |
217 |
244 |
266 |
286 |
304 |
(単位:万円)
② むち打ち症で他覚症状が無い場合の算定表(「赤い本」別表2)
|
入院 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
|
|
通院 |
0 |
35 |
66 |
92 |
116 |
135 |
152 |
165 |
|
1月 |
19 |
52 |
83 |
106 |
128 |
145 |
160 |
171 |
|
2月 |
36 |
69 |
97 |
118 |
138 |
153 |
166 |
177 |
|
3月 |
53 |
83 |
109 |
128 |
146 |
159 |
172 |
181 |
|
4月 |
67 |
95 |
119 |
136 |
152 |
165 |
176 |
185 |
|
5月 |
79 |
105 |
127 |
142 |
158 |
169 |
180 |
187 |
|
6月 |
89 |
113 |
133 |
148 |
162 |
173 |
182 |
188 |
|
7月 |
97 |
119 |
139 |
152 |
166 |
175 |
183 |
189 |
(単位:万円)
交通事故のリハビリで慰謝料をもらうときの注意点

ここでは交通事故のリハビリで慰謝料をもらうときの注意点を解説します。
通院頻度
適切な慰謝料をもらうために、適切な通院頻度となるよう注意しましょう。
上記のとおり、通院慰謝料は通院期間・実通院日数を基準に算定します。
通院期間が長いにもかかわらず通院回数があまりにも少なければ、治療の必要性が疑われてしまいます。
通院が長期間・不定期である場合、通院頻度や治療内容などを考慮したうえで、実通院日数の3.5倍程度が通院期間の目安とされることになります。
そのため、最低でも月10日程度の頻度で通院していなければ、実際の通院期間より短い期間で慰謝料が計算されてしまい、もらえる慰謝料が減額されてしまうでしょう。
また、逆に通院期間に対してリハビリの回数が多い場合や、通院自体が目的となっているように見えてしまうと、慰謝料増額のための過剰診療ではないかと疑われてしまい、慰謝料の額が減額される可能性があります。
転院の際は事前に保険会社に連絡
通院している病院で満足できるリハビリができない場合、他の病院に転院したい場合もあるでしょう。
転院をすること自体は問題ありませんが、事前に保険会社に対して転院したい旨と転院先の病院を伝えましょう。
事後に連絡をすると慰謝料の支払いが遅れたり、場合によっては慰謝料の支払いを拒否されてしまったりする可能性があります。
なるべく整骨院ではなく整形外科に通う
整骨院の柔道整復師は医師ではありません。そのため整骨院でのリハビリについては、入通院慰謝料の通院実績として考慮されない可能性があります。
慰謝料の請求を考慮するのであれば、なるべく整形外科に通うようにしましょう。
しかし、自身のリハビリにとって整骨院の方が合っていて、整骨院に通いたい場合もあるでしょう。整骨院に通いたい場合は、整形外科への通院も継続し、整形外科の医師の指示に基づいて整骨院に通院するようにしましょう。
医師の許可・指示のもと整骨院に通っているということであれば、整骨院への通院も入通院慰謝料に考慮される可能性が高くなります。
リハビリの内容によっては慰謝料が減額となる可能性がある
リハビリ期間について、入通院慰謝料やリハビリ費用・通院交通費を支払ってもらうためには、そのリハビリが症状改善のために必要な措置であると保険会社に認めてもらわなければなりません。
たとえ頻度高くリハビリに通っていても、リハビリの内容がマッサージ・電気療法などの施術を中心としたリハビリであったり、通院しても薬や湿布を処方してもらうだけのようなものであると、慰謝料が減額されてしまう可能性があります。
>>後遺障害14級の認定率は?|認定率を上げるためのポイントも紹介
交通事故の慰謝料に関するご相談はYKR Medical Consultへ
交通事故の慰謝料の交渉に関しては、専門的な知識が必要です。
何も知識のないまま交渉をしていると、加害者側の保険会社のいうままに慰謝料が算定されてしまい、適切な慰謝料を受け取れない可能性があります。
YKR Medical Consultは医学的な専門知識の裏付けのもと、交通事故とそれによる慰謝料に関して高い専門性を持っています。
適切な慰謝料を受け取り、自身の治療に専念をするために、交通事故の慰謝料はYKR Medical Consultまでご相談ください。
まとめ
以上、交通事故のリハビリに関する入通院慰謝料について解説をしてきました。
リハビリに関しても慰謝料は支払われますが、通院の方法など適切な理解をしていないと慰謝料が減額されてしまうなどいくつか注意点があります。
入通院慰謝料として適切な額を受け取ることができるようにするためにも、本記事の内容をきちんと理解しておきましょう。
ご自身ひとりで考えることが難しい場合は、専門的な知識を持つYKR Medical Consultまでご相談ください。
皆さまが治療に専念することができるよう本記事が役立てば幸いです。
